マルチカレンシーとは?メリット・デメリットを解説
マルチカレンシー口座とは1つのアカウント内に複数通貨の口座を持てるサービスです。
通常の円口座のデビットカードで現地ATMにて現地通貨を引き出す際は、引き出した時点の「ブランドレート×手数料」の円換算額が口座から引き落とされますが、マルチカレンシー口座の場合、現地通貨の外貨預金口座から引き落とされます。例えばアメリカのATMでドルを引き出す際はドル口座の残高から引き落とされる仕組みです。
マルチカレンシー口座からの引き出しであれば、デビットカードのような「ブランドレート×手数料」が発生しないため(一部口座では手数料有)、割安に引き出しが可能です。
ただし引き出し通貨の口座残高が不足した場合は、円残高もしくは他通貨の残高から引き落とされるため、その場合にはブランドレート×手数料が発生します。
現在ほとんどの銀行が外貨預金に対応していますが、上記のように外貨預金引き出しに対応していないと、米ドルを沢山預金していようが、アメリカのATMで引き出そうと思っても米ドルは引き出せず、「ブランドレート×手数料」換算で円預金から出金がおこなわれてしまうのです。
またマルチカレンシー対応業者の中でも銀行系と決済事業者系に分かれます。
仕組み自体はほぼ一緒ですが、銀行系の場合外貨預金口座となりますが決済事業者の場合預金とは異なるため、使わず口座にお金を残したままでも利息は一切つきません。
マルチカレンシー口座の最大のデメリットは「ほぼメジャー通貨にしか対応していない」という点です。米ドル、ユーロ、や英ポンドなどを使われる方は一切問題ありません。しかしミャンマーチャットやイスラエルシェケルなどマイナー通貨を使われる方は通貨の取り扱いがないため、利用メリットが一切なくなります。
・両替レートが割安
・多額の現金を持ち歩かなくて済む
・両替タイミングを選べる
・海外事務手数料が発生しない
・カードによってはポイントやマイルが貯まる
・現地のATMを使うまで現金が確保できない
・多額の現金を持ち歩かなくて済む
・ATM手数料やATMオーナー手数料が発生する場合がある
・メジャー通貨しか対応してないカードが多い
外貨預金引き出し対応銀行及び決済事業者一覧
外貨預金引き出しに対応している銀行はまだまだ少数で且つ取り扱い通貨が少ないのが実情です。取り扱い通貨の豊富さでいえば決済事業者の方が優位性があります。
住信SBI ネット銀行 |
ソニー銀行 Sony Bank WALLET |
SMBC信託銀行 プレスティア |
JALグローバル ウォレット |
Wise デビットカード |
Revolut | |
年会費 | 無料 | 無料 | 2,200円 ※無料条件有 |
無料 | 無料 |
スタンダード会員:無料 |
外貨口座対応通貨 | 米ドルのみ | 10通貨 (下記参照) |
17通貨 (下記参照) |
15通貨 | 54通貨 (下記参照) |
23通貨 (下記参照) |
海外事務手数料 |
2.5% ※後日全額ポイントバック |
1.79% | 0% | 0% | 0% | 0% |
外貨不足時の円口座から引き落とし手数料 | 2.50% | 1.79% | 3.0% | 4.0% | 両替手数料のみ | 不明 |
ATM引き出し手数料 | 無料 | 無料 | 無料 | 200円 相当額 |
1.75% ※月に2 回、合計30,000円以内であれば無料 |
2% スタンダード会員:月25,000円まで無料 プレミアム会員:月50,000円まで無料 |
入金方法 | 口座へ入金 | 口座へ入金 | 口座へ入金 | 口座振替 マイル 銀行振込 |
振込 | 振込 クレジットカード デビットカード プリペイドカード (※クレカ、プリカ入金分は現地通貨引き出し不可) |
現地通貨引き出しにおすすめのカード
国にマルチカレンシー機能を使える・使えないがあるため一概には言えませんが、レートが低い順にすると以下の通りです。
外貨預金利用分に関しては海外事務手数料が不要な上、外貨積立であれば積立日の仲値で積立が可能です。過去レートをご覧いただければわかりますが、その日の両替レートの最安といっていいレートです。またATM手数料等一切無料でオーナー手数料が徴収されてしまった場合でも償還されます。デメリットは取り扱い通貨以外で利用すると他のデビットカードと変わらず3.00%がかかります。よって「取り扱い通貨」を「外貨積立」で調達するのが前提となります。
口座維持手数料が毎月2,200円と高額に感じますが、こちらは毎月10,000円以上外貨積立を行うことで無料にできます。
項目名 | |
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年会費 | 2,200円/月(※無料条件有) |
対応通貨数 | 17通貨 |
入金方法 | 口座へ入金 |
2022年辺りまではそこまで良いレートではありませんでしたが2023年に入ってからレートが目に見えて改善し、日や時間帯によっては最安となることもあります。
唯一デメリットが、外貨預金部分の引き出しも1.79%の手数料が発生してしまうため、メリットが優秀な外貨預金レートといったところです。
項目名 | |
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年会費 | 無料(タカシマヤプラチナデビットカードは33,000円) |
対応通貨数 | 10通貨 |
入金方法 | 口座へ入金 |
さらに、現地通貨引き出し同様に事前にアプリ内で両替しておけば、海外事務手数料がかからずカードショッピングができます。Metalプランであればショッピング利用分の1%がキャッシュバックされるため、使い方によってはポイントの二重取りも可能です。
デメリットは現地通貨引き出しの手数料無料となる限度額が少なく、超過した際の手数料も高いため、ATM利用は無料の範囲におさめてカードでの支払いに特化させた方が良いです。また土日の両替レートは割高となるため、Revolutでの両替は平日におこないましょう。
項目名 | |
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年会費 | スタンダード:無料、プレミアム:980円(月)、メタル:1,980円(月) |
対応通貨数 | 23通貨 |
入金方法 | 銀行振込、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード(一部利用不可のカードがあります) |