【2023年版】クレジットカードの海外事務手数料一覧
あまり知られていませんが、海外でクレジットカードを使って買い物すると海外事務手数料が発生します。以下の合計額が請求金額となります。
「カードブランドレート×利用額」×「海外事務手数料」=請求金額
海外事務手数料とは
海外事務手数料は「カード発行会社」が定めるクレジットカードの海外利用手数料です。
基本的には外貨決済時にかかる費用といえます。
例えばカードブランドレート「1ドル100円」のときに100ドル分の買い物をし、海外事務手数料が2.0%のカードで買い物をした場合、10,200円が請求されます。
クレジットカード発行会社別海外事務手数料一覧
発行元 | 海外事務手数料 | ||||
VISA | Mastercard | JCB | アメックス | ダイナース | |
JCB | – | – | 1.60% | – | – |
三井住友カード | 2.20% | 2.20% | – | – | – |
三菱UFJニコス | 2.20% | 2.20% | 2.04% | 2.00% | – |
楽天カード | 1.63% | 1.63% | 1.60% | 2.00% | – |
セディナカード | 2.20% | 2.20% | 2.20% | – | – |
セゾンカード | 2.20% | 2.20% | 2.15% | 2.00% | – |
オリコカード | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – | – |
ジャックスカード | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – | – |
イオンカード | 1.60% | 1.60% | 1.60% | – | – |
MIカード | 2.00% | – | – | 2.00% | – |
PayPayカード | 2.20% | 2.20% | 1.60% | – | – |
ポケットカード | 2.20% | 1.90% | 1.60% | – | – |
ライフカード | 2.00% | 2.00% | 1.60% | – | – |
EPOSカード | 1.63% | – | – | – | – |
UCカード | 2.20% | 2.20% | – | – | – |
TS CUBIC | 2.20% | 2.20% | 2.15% | – | – |
アプラス | 1.63% | 1.63% | 1.60% | – | – |
アコムACマスターカード | – | 1.63% | – | – | – |
American Express | – | – | – | 2.00% | – |
TRUST CLUBカード | 2.0% | 2.0% | – | – | 1.3% |
気を付けておくべき点は、同じカードブランドだから一概に手数料も一緒というわけではありません。
例えば「三菱UFJニコスが発行するJCBカード」と「JCBが発行するJCBカード」では手数料が異なります。なぜ違うのかというと、VISAとMastercardは独自にカード発行しておらず、カード発行会社が存在しますが、JCBやAmerican Expressは独自に発行するカードと、ブランド供与したカードが存在するためです。
楽天JCBカードはブランドこそJCBであっても、発行元は楽天カードとなります。
逆にJCBオリジナルシリーズはJCBが発行しているため、発行元はJCBとなります。
同様にセゾン・アメックスはアメックスブランドではありますが、発行はセゾンカードとなります。ただアメックスは発行元に限らず2.00%に統一されています。
海外事務手数料はカード発行会社が定めており、わからない場合は請求書を見ましょう。
また一概に海外事務手数料が低ければいいというわけでもありません。
一見ダイナースの海外事務手数料が安いので、海外利用にはダイナースが良いと思えてしまいますが、冒頭の通りカードブランドの為替レートが影響してきます。ダイナースは為替レートが悪く、海外事務手数料が安くてもトータルでは損といったこともあります。
さらに、ダイナースは国によって使えるお店が少ない、など国によって使える店が多い、少ないといった特徴も考慮すべきですが、カード使えるところはほぼVISAとMastercardが使えます。JCB、アメックス、ダイナースは注意が必要です。
カードブランドレートとは
海外事務手数料は「カードブランドレート×利用額」を元に計算されます。
カードブランドレートは、VISA、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースなど各カードブランドが定める為替レートです。
VISA、Mastercard、JCBはレートを公表しています。
VISA為替レート(Currency Exchange Calculator)
例えば同じ楽天カードであっても「楽天JCBカード」と「楽天VISAカード」では、同じ日に同じ買い物をしても請求額が若干異なります。それはカードブランドによって為替レートが若干異なるためです。
2023年9月29日 | VISA | Mastercard | JCB |
米ドル | 149.659 | 149.534 | 149.569 |
ユーロ | 157.857 | 158.365 | 158.032 |
英ポンド | 182.405 | 183.546 | 182.559 |
中国元 | 20.4938 | 20.4814 | 20.589 |
韓国ウォン | 0.11091 | 0.11141 | 0.111 |
香港ドル | 19.1347 | 19.1037 | 19.157 |
台湾ドル | 4.65215 | 4.65282 | 4.688 |
カナダドル | 111.122 | 111.462 | 110.986 |
オーストラリアドル | 95.9744 | 96.9442 | 96.171 |
タイバーツ | 4.09925 | 4.11132 | 4.105 |
シンガポールドル | 109.721 | 109.916 | 109.688 |
フィリピンペソ | 2.63518 | 2.64553 | 2.642 |
インドネシアルピア | 0.00965 | 0.00967 | 0.009 |
ベトナムドン | 0.00612 | 0.00616 | 0.006 |
マレーシアリンギット | 31.9103 | 31.9375 | 31.782 |
ご覧の通り、各カードによってレートが異なります。(あくまで参考数値)
為替レートは24時間変動していることもあり、日、時間、1分1秒によってJCBの方がレートが良かったりMastercardの方が良かったりと様々です。通貨によって総合的にレートの良い通貨、悪い通貨も統計的には存在します。しかし、その日のレート次第ともいえるため安いレートを狙ってカード利用するのは至難の業ともいえます。
レート計算日はカード利用日ではない
複雑なのが、請求時の適用レートは「実際にカードを利用した日ではない」という点です。
カード会社が請求額を確定させるために計算を行うのは、「伝票(カード会社に到着した日」とされています。よってカード利用日が8月1日であっても、伝票到着日が8月3日であれば8月3日のレートで計算されます。
上記の通り、利用日と換算日は異なります。
さらに伝票到着日はカード発行会社によって差があるようで、例えば8月1日に同じ日に別々のカードで買い物をしても一方は8月2日換算、もう一方は8月3日換算なんてこともあります。
よってレート比較をおこないにくいのが実情です。
海外での円建て払いには注意
海外の空港や大きいショッピングモールでクレジットカードで支払う際に
「日本円と現地通貨どちらで支払う?」
と聞かれる場合があります。
円建ての方が安心感があり、海外事務手数料もかからないためお得に思えますが、実は請求額自体がかなり高額で為替変動リスクや海外事務手数料を払う以上に円建て決済の方が割高です。
海外での買い物で日本円か現地通貨と聞かれたら現地通貨を選択するようにしましょう。
・「カードブランドレート×利用額」×「海外事務手数料」=請求金額
・利用日のレートでなく伝票到着日のレートが採用される
・海外事務手数料はカード発行会社によって異なる
・海外事務手数料が低くてもレートが悪いと意味がない
・VISAかMastercardブランドのカードは持っておきたい
海外事務手数料無料で買い物する方法
上記を踏まえると還元率の高いVISAかMastercardブランドクレジットカードが海外利用に適したカードとなりますが、海外利用で2.5%還元を誇った「地球の歩き方JCBカード」、2.0%を誇った「Orico Card THE WORLD」が発行停止してしまいました。
「アメックス・プラチナ・カード」であれば海外還元率3.0%ですがブランドがアメックスな上、年会費が高額です。その他ですと「MileagePlus MUFGカード ゴールドプレステージ」が2.0%ですが、こちらはリボ払い条件となります。
よって海外利用でおすすめしたいVISAブランドは「Revolutカード」か「IDARE(イデア)カード」です。
Revolutカードはアプリ内で日本円から外貨にリアルタイムで両替できるため、海外事務手数料が発生しませんが取り扱い通貨に限りがあります。IDAREカードはそもそも海外事務手数料が無料のため、通貨縛りなく使えるのが特徴です。
Revolutカードは英国発祥のフィンテックが発行するプリペイドカードで、VISA加盟店であれば国内外問わず利用できるうえ、20歳以上の方であれば誰でも発行できます。
最大の特徴はマルチカレンシー口座を持てる点です。
アプリ内で日本円からさまざまな通貨、保有しておくことができます。
つまり事前にチャージを行い、利用する通貨に両替しておくことで海外事務手数料が発生せず買い物を行うことができます。また海外事務手数料がなくても両替レートが悪いと意味がありませんが、Revolutのレートはかなり良心的レートといえる上、世界中で使える「VISA」ブランドとなるため、海外生活・海外旅行の必需品といえるカードです。
2022年1月11日の各両替レートをご覧ください。
Revolut | トラベレックス | ドルユーロ | プレスティア (仲値) | VISA 公表レート | Mastercard 公表レート | |
米ドル | 114.94 | 118.420 | 117.65 | 115.24 | 115.869 | 115.859 |
ユーロ | 131.57 | 118.420 | 134.16 | 130.78 | 131.463 | 131.374 |
英ポンド | 156.25 | 169.350 | 162.43 | 156.91 | 157.500 | 157.639 |
タイバーツ | 3.448 | 3.9300 | 3.575 | 3.45 | 3.458 | 3.448 |
両替レートや他のマルチカレンシー口座に比べRevolutの両替レートが良心的です。
そしてRevolutへのチャージはVISAかMastercardのブランドのクレジットカード、デビットカードからチャージができます。カードを紐づけておけば、即時にチャージができるため、レジ待ちの間にチャージして両替してしまえば海外手数料無料且つ、良心的為替レートで買い物ができます。
またKYASHというVISAプリペイドカードを経由させることで、American ExpressやJCBでもチャージ可能です。
Revolutのメタルプラン(月額1,980円)であれば利用額の1%のキャッシュバックされるため、使い方次第で海外事務手数料を節約しつつポイントの二重取りも可能です。